日本最古の富本銭について
富本銭(ふほんせん)は日本で最古と考えられている古銭です。683年頃に作られたと推測されており、当時どれくらいの発行数があったのかも具体的にはわかっていません。
日本最古の古銭はこの「富本銭」であるという説と、「和同開珎(わどうかいちん)」であるという説に分かれています。現代では日本最古の古銭は、富本銭でほぼ間違いないだろうという意見が多くなっている状況です。
富本銭とはどのような古銭?
現代の5円玉のような穴あき銭の形状をしており、表には「富本」という文字と共に7つの点(七曜星をイメージしたもの)があります。裏面にはとくに印字などはなく、枠と中央の四角い穴しかありません。材質は銅を基本としており、アンチモンという成分も含まれています。さらにごく僅かですが、銀やビスマスも含まれていたそうです。
富本銭の存在自体は江戸時代から知られており、当時から貨幣や硬貨のコレクターに広く愛されていたとされています。
また、当時の硬貨・紙幣カタログである「和漢古今泉貨鑑」にも富本銭が図付きで記載されていることからも、富本銭が江戸時代でも知られていたのは間違いないのです。
しかし、現在では希少価値が高く一般市場に出回ることはまずありません。新しく見つかった分は、漏れなく博物館などの公共施設に展示されるでしょう。過去に富本銭が査定された際には1000万円の金額がついたこともあります。
富本銭の買取価格や販売価格は?
富本銭が一般の古銭買取業者に持ち込まれることはほぼなく、販売価格や買取価格の相場らしい相場はありません。古銭は富本銭に限らず、保存状態や劣化のレベルによっても希少価値が異なってきます。
富本銭は希少性が高い故に、全体でどれくらいの数が発行されていたのかも不明確です。
そのため万が一出品されたとしても金額の想定が非常に困難なのです。過去の状況から考えれば仮に一般で査定を行うと1000万円以上になる可能性が高いでしょう。ただしレプリカなども多く出回っているため詐欺で騙されないよう注意が必要です。
富本銭のレプリカ入手は容易
本物の富本銭を個人が入手するのはほぼ不可能ですが、その希少性故にレプリカは非常に多く出回っています。
金額も数百円〜数千円程度で入手できるものが多く、ネットからでも購入可能です。主にオークションサイトやアンティークショップなどで扱われており、デザインも劣化を表現したものや新品状態のものなど、さまざまなレプリカがあります。