世界で6枚しかない天正菱大判金
古銭をはじめとする大判や小判には、さまざまな種類があります。希少価値や保管状態などによって市場の価値も異なってくるのです。その中でとくに希少価値が高いとされるのが、世界で6点しか残っていないと言われる天正菱大判金になります。
天正菱大判金の6点中5点は世界各国の博物館に展示されており、残りの1点は行方が知られていませんでした。しかし、2015年にスイスで開催されたオークションで6枚目の天正菱大判金が出品され、1億4300万円で落札されています。
天正菱大判金とは?
天正16年(1588年)に豊臣秀吉が贈答儀礼用にと作らせたのが「天正菱大判金」です。大判の中央に打たれた菱形の印が「天正菱大判金」と呼ばれる理由とされています。
古銭・小判・大判など、昔の硬貨の中でも特に貴重とされており、世界で6点しか残っていません。そのため、日本の古銭買取店では7000万円以上の価格を設定している店舗がほとんどです。
しかし、6点中5点は国内外の各博物館に展示されているので、一般人が入手するのはほぼ不可能と言っていいでしょう。
天正菱大判金はどこに展示されている?
天正菱大判金が展示されている博物館は下記の通りです。5点までは所在がはっきりしているはずですが、日本国内から調べて判明したのは4点まででした。
◆東京にある天正菱大判金
●東京国立博物館
●日本銀行紙幣博物館
東京にある「東京国立博物館」と「日本銀行紙幣博物館」に天正菱大判金が展示されています。
◆大阪にある天正菱大判金
●造幣博物館
◆海外にある天正菱大判金
●サムスンのプライベート博物館
残り1枚の天正菱大判金も、どこかの国の博物館に展示されているはずですが、日本国内からでは確実な場所は調査しきれません。
最後の6枚目はどこにある?
つい最近まで天正菱大判金は世界で6点しかなく、うち5点は各博物館に展示されている状態でした。それが2015年5月22日に開催された、スイスの古銭商オークション「Hess Divo」に6枚目の天正菱大判金が出品されたのです。
出品者や落札者についての情報は一切未公開とされましたが、日本円にして1億400万円からスタートし、最後には1億4300万円で落札されました。落札者について情報はなく、各国の裕福層の人やIT企業経営者ではなどさまざまな憶測が飛び交ったそうです。正解は誰にもわかりません。
明確になっているのは天正菱大判金の6枚中1枚は公共の博物館ではなく、個人の手によって所有されているという事です。